未決着の森友問題 [日本考]
しつこいなあと思われるかもしれないけれど、森友問題はあのままで良いのですか?
今は新型ウィルスと人類の闘いの最中なのだから、そんな小さなことは後で良いではないかとおっしゃいますか?
生死がかかった時にはその問題が最優先?生き物ですからね、必死で生き延びようとするものですが、どんな時でも「らしくありたい」と願うのが人間ではありませんか?
「今はコロナ対策!」一つのことしか頭にないのは、単細胞生物です。
いやいや「オリ・パラの延期も十分気になる」って、二番目はその問題ですか?
ずっとずっと問題になっている総理の人柄問題は、この際、目を瞑るのですか?
コロナ不景気でそれどころではない、「生活費が入ってこない」それはわかります、こんな時には政府や自治体にきめ細かく救済してもらわないと困ります。
でも、これすべて新型コロナがもたらした問題ですよね。その対策に当たる政府のトップの人柄問題は、不問に付してしまっていいのですか?
解決せべき問題を解決しないまま、日本社会はコロナ騒動に見舞われているのです。同時並行して、何らかの決着をつけて、新型コロナと対峙しなければいけませんよね。
で、森友問題です。経過はよく知られていますから反復しません。総理と総理周辺は、この問題は、国会答弁その他で既に乗り切ったと思っているのでしょう。
ですが、傍目に見るとまったく違うのです。総理夫妻が関わった案件として森友学園は土地取得について破格の厚遇を受けたのです。
総理やその周辺から指示が出たのか、役人の忖度なのかわかりませんが、あのような理由であのような破格の値引きが行われることは他には考えられません。
それを自らの潔白を強調するために、総理は例の「私か妻が関わっていたことが明らかになったら・・・」発言をしたのです。
総理に仕える役人としてはさあ大変です。「そんなことはなかった」ことにしなければいけません。そこで公文書の改ざん命令が出たのです。
誰がどういう形で出したのか、これまたどなたかの忖度なのか知りませんが、行政の現場で公文書の改ざんが大急ぎで行われたのです。
多くの人の目にそう見えていたのです。それが紛れも無い事実だったことが、赤木さんの手記と遺書によって明らかになったのです。
いくら、どう取り繕っても、昭恵夫人が名誉校長をしていたのですから、この件に夫人が関わっていたことは否定できない事実です。それがこのような事件・事案に発展したのです。
ですから、あの「間違いなく責任を取りますよ」発言が、総理を辞める気のない人にとっては不適切だったのです。
傍目に見ると分かりきっているのです。「ウヤムヤになっている、疑わしきはシロだ」、「そういう考えは妄想だ」として通そうとしているのは、総理だけですよ、まさに裸の王様ではないですか。
いま日本は、総理にとっては幸いなことに(などと言って良いかどうか分かりませんが)コロナ騒動の渦中ですから、この問題を棚上げにしておくことは可能かもしれません。しかしこの問題は未来永劫蒸し返されますよ。権力者のした悪しき政治として語り継がれます。
そろそろ、「あの発言は間違いだった」と、「不適切な値引きがあるようなら私の責任で訂正させますと言うべきだった」と迷惑の及んだ事務方と国民に陳謝し、発言を訂正すべきです。
それで収まるかどうかは分かりませんが、せめてそうしないと、一国の信用度が落ちます。無理が通れば道理が引っ込み、歪んだ前例が未来をも曲げてしまいます。
新型ウィルスの感染は社会にとって脅威ですが、誰もが分かっている不正が正されない社会が平然と続くことも、人間の精神的健康を著しく阻害します。
いくつか前の記事で「そんな社会は生きていく価値のない社会だ」というようなことを書きましたが、「じゃ死ぬか」という話ではありません。「そんな社会にしてはいけない」という話です。
志村けんさんが亡くなったそうですね。ご冥福を祈ります。またまた危機意識が高まりますね、日本社会の明るさが翳りますね。
総理の「人柄が信頼できない」問題も、負けず劣らず重大ですので、みなさまお忘れなきよう、よろしくお願いいたします m(_ _)m