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関電で発覚した原発余剰金問題 [時事問題]



ちょっと記事にするのが遅れましたが、関西電力の原発余剰金問題、これは放置できない問題ですね。

関電の役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領した問題で、再調査にあたった第三者委員会は14日、調査報告書を公表しました。

金品受領の範囲は社内調査の結果に比べ55人増の75人、総額は約4千万円増の約3億6千万円。

この金品の流れは、賄賂を受け取らせて仕事を発注させるという森山氏の意図によるもので、関電から森山氏の関連会社に見返りとして工事が発注されていたと認定。

「関電の役員らに電力使用者の目線によるコンプライアンスの意識が欠如していたことと、原発立地の地元対策が透明性のない形で行われていたことが問題の本質」と指摘。

刑事告発については、確実な証拠がないなどとして、「告発は難しい」と言及。(概要は以上)

金品を送った側はすでに亡くなっており、受け取った側には積極的な意思がなかったなど、刑事告発の難しさは理解できるものの、ことの全体はとても容認できるものではありません。

3億6千万もの金を発注者にばら撒いても元が取れるのです、原発関連の工事は。発注側に賄賂をもらう積極的な意思がなくとも、もらった額に見合った利益を乗せて工事を発注していたのです。

コストをできるだけ削減して、利用者のために発電単価を下げようという意思が働いていないのです。この点を報告書は「電力使用者の目線によるコンプライアンスの意識欠如」としているのですが、これが大問題です。

この意識の欠如は、関電だけではありません。電力料金は、長い間、総括原価方式という方法で決められていました。つまり、いくらコストがかかっても電力料金に上乗せできたのです。

今は電力料金自由化で多少は競争原理が導入されていますが、大差はありません。これがコスト削減意識欠如の原因です。適当に上乗せして地元を潤わせ、自分たちもその一部を着服したり、そうしないまでも「いい顔」をしたりできるのです。

原発の建設と稼働には、莫大な余剰金が付随しているのです。その一部が発覚したのです。おそらく氷山の一角です。

一方で、使用済み核燃料の処分や、原発事故の処理などには莫大な事後費用がかかるのです。余剰どころか、料金値上げや国費注入さえ必要な莫大な不足が発生するのです。

費用だけではありません。放射能が漏れれば計り知れない健康被害を及ぼすのです、原子力発電は。

目先の損得でエネルギー問題を取り扱っていると、大変なことになるのです。ここに利権をあさる人がいると国の将来が危ういのです。その一端が見えたのです、今回の関電問題は。

刑事事件にならない?とんでもありません、もっともっと厳しい眼を向けなければなりません。



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