八月反戦のNHK [日本考]
何かと話題に上るNHKさん、一昨日はガダルカナル海戦の詳細をやっていました。海軍の思惑、陸軍の思惑、それぞれの思惑のズレとそれを統率する国としてのガバナンスの欠如が、一木支隊全滅の悲劇を招いたことを、史実として鮮明に伝える貴重な番組でした。
昨年はインパール作戦が無残な結果を招いたことの詳細を伝える番組を放送しました。これも貴重な番組と感じました。
昨日は、日本が大正デモクラシーから全体主義に移っていく過程で『日本新聞』が果たした役割を明らかにする番組を放送しました。
言論の自由よりも「日本主義」という思想を流布、普及させ、議会制民主主義への歩みから独裁政治へ、更には軍部主導の軍国主義国家へと国を動かしていった一右翼新聞の存在とその策謀を明らかにするものでした。
この一新聞の思想誘導に力を貸した他のマスコミへの言及こそありませんでしたが、その核にこの新聞とそれを主導した思想家や支持者、共感者がいたことを明らかにするドキュメンタリーではありましたから、この製作と放映も、価値あるものと感じました。
NHKは良い番組を作ります。NHKは、日本が、軍部主導の独裁国家に変わり、合理性を欠いた戦略・戦術で大敗を喫し、戦士は勿論、内外の民間人にも多大な損害をもたらしたという認識はちゃんと持っていると言えるでしょう。
問題は、その認識が、現在進行形の政治や社会の動きを伝えるニュース報道に何ら反映されていないことです。
実は頭は良くてちゃんと分かっているのに、いま目の前で起こっていることの不条理には何の異議も唱えず、黙認してしまうただの知識人みたいなものです。
知は行動に繋がらないと意味がありません。戦後の民主主義が、いままったく同じような動きをして、民主主義から国家主義に変わろうとしています。
その役割を果たしている団体が『日本新聞』から日本**に変わっただけです。
『日本新聞』は、導いたことの顛末について何の責任もとりませんでした。主幹は戦争の結果も知らぬまま戦中に亡くなり、他の主要メンバーの一人は戦後自殺しました。責任をとって自殺?過ちに気が付いて生きていけなくなった?
日本**も成り行きの結果についての責任を取るはずがないのです。社会を一時思いどおりに主導するだけで、顛末については、出口についての見通しは、何ら持ち合わせていないのです。
『日本新聞』は満州事変を「侵略といえども侵略にあらず、これは聖戦なり」と鼓舞しました。
自分たちの民族が優秀だとの思い込みだけで国民を誘導し国を動かして、周辺諸国と円満に収まるはずがないのです。
過去や外国を見る目もさることながら、今の日本を見る目こそ大事ではないか?
など、改めて思った次第です。
おまけの写真は・・・
10日に花火大会がありました。素晴らしく綺麗な花火が夜空に広がることがあり、写真に収めたいと思うのですが、なかなか上手くいきません。カメラを覗いてばかりいると今度は自分が満喫し損なってしまいますので、そうもいきません。今年の収穫は以下の3枚でした。
花火の写真を撮るには三脚が必須ですよね。毎年撮り始めると思い出すのでした。
本日は以上です。