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現政権の問題の本質は・・・ [日本考]

 で、アベ政治の問題の本質はどこにあるか?ですが、やはり戦前・戦中・戦後の総括、反省が間違っているところにあると思います。

 戦前の日本人の国際感覚は、日本は国土が狭く資源に乏しいため、欧米に伍すためには欧米並みに植民地を獲得しなければならない、それしかないと思い込んでいたように思います。
 その思いから強引に大陸に進出します。そして、現地住民や欧米の既得勢力と衝突します。そしてアメリカの経済封鎖を打破するために、アメリカとの戦争も始めます。

 これしかない、この道を行くしかわが国に活路はないとの思いから、先の見通しも、国民の犠牲も、他国民の被害も一顧だにしないで、米英撃滅、八紘一宇、皇国日本、一憶玉砕、神風特攻隊・・・戦争まっしぐら、突き進んでいったのです。
 さあその結果はどうなったでしょう?
 知らない人はいないはずです。一々、敢えて書きません。悲惨なことになりました。

 戦争で叩きのめされただけではありません。帝国主義を競っていた欧米は、戦争前から、方針を転換しました。民族自決や人道主義を重んじるようになりました。少なくともそういう建前をとるようになりました。
 戦勝国は国際連合を形成し、日本は加盟しているものの、未だに敵国条項が適用される唯一の国とされています。
 戦勝国アメリカの軍隊が、未だに駐留し続けています。憲法が国の最高法規のはずですが、日米条約がその上に君臨しています。我が国は、いわばアメリカの植民地、属国、精々、半独立国です、73年たっても。

 なぜこういう惨めな事態になったのか、過去を振り返り、誤っていた部分を謙虚に認め、戦後の歩みを一から出直すしかないではありませんか。
 国際感覚も不適切でしたが、国の統治の仕方も間違っていました。治安維持法を基に特高警察が陰に陽に活動し、言論を抑圧し、上意下達の、民衆の思いを無視した独裁体制を敷いていました。
 しかも、5・15、2・26事件以降は、非戦論者に耳を傾けるどころか、これを銃弾で排斥する軍事独裁政治へと走ります。その結果があれです。

 戦後の日本が、国民主権を銘記する民主主義国への移行を期すのは当然のことです。また原爆まで食らった戦争を忌避し、国が二度と戦争をすることがないよう、不戦の決意を表明することも当然の成り行きです。戦時中一顧だにされなかった基本的人権に思いを馳せ、その尊重を宣言することも当然の結果です。

 戦後の政治は、それを出発点にそれをさらに充実させるべく行われるべきです。
 戦後50年ぐらいは、日本政府は謙虚に振舞っていました。それを過ぎたあたりから、戦前の見直しが声高に叫ばれるようになりました。
「日本だって周辺諸国でいいことをしてきた」
「日本が植民地解放のきっかけを作った」
「南京虐殺はなかった、数が多すぎる」
「慰安婦問題に軍は関与していなかった」
「自虐的歴史観は改めろ」などなど賑やかになります。

 そういう点も無きにしも非ずかもしれませんが、しかし、戦直後にそういうことを声高に言う人はいなかった。鳴を潜めていましたよ。なぜかというに、国内にまだたくさん被災者がいたし、軍国主義からの解放を喜んでいる人も圧倒的にたくさんいましたから、それに、周辺諸国が、厳しい眼で日本の変容ぶりを監視していましたから、戦前・戦中の日本はよかったなどと言う人は、まず、いませんでした。ほとぼりのさめた頃になって、いろいろ言う人が出てくるわけです。

 日本民族が間違ったことをしてしまったなどということを認めたくない人が一定割合いるということなのでしょうか。
 ものごとは冷静に振り返る必要がありますよね。過去の過ちを認めないで誇りを持ち続けようとすることよりも、同じ過ちを二度と繰り返すまいとする理性を持っていることを誇りにすべきですよね。

 さてアベ政権ですが、戦前復活を目指す日本会議の支持する政権ですからね、その政治理念の間違いが問題の本質だと思います。戦後の政治として、それはあり得ないことです。国民の知る権利や思想信条の自由、表現の自由、公正平等な行政、真実に基づく記録の保存や国会答弁、安易に戦争に近付かない平和外交、こうしたことを尊重・重視しない政治は、日本の戦後の政治としてはあり得ないことです。

 与党の面々はあり得ると思っているようですから、ジコウもひっくるめて、顔を洗って出直してこいと言うしかありませんね。

 本日は以上です。以下はおまけの写真です。

 再びチューリップ
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 珍しい八重のチューリップ
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 モッコウバラ
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 今日もありがとうございました!
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