SSブログ

続・プーチンの怒り [人間考]



怒りは命ある物の当然の反応ですから、当人にとっては正義なんですね。ですが、本当に正義なんでしょうか?

プーチン氏のお怒りは正義か?

怒って相手に危害を加える事例はたくさんあります。最近よくある煽り運転トラブル。しつこく追い回したり、前に出て急に止まったり、停めさせて乱暴を働いたり・・・善良なドライバーを恐怖の底に陥れます。

そんな命に関わる危険な行為をなぜ働くことになったのかというと、たいていはきっかけがあります。クラクションを鳴らされたとか、パッシングライトを点けられたとか、追い抜きざまに眼(がん)をつけられたとか、何かしら怒りのきっかけがあるのです。

オレに対してそんなことをするとは何事だ、人を誰だと思っているのだと怒りの情動が起きるのです。その報復として追い回したり恐怖に陥れたりするのです。当人は「あいつが怒らせることをしたから悪いのだ、オレはちっとも悪くない」と思っているのです。

怒らせた相手が悪い、怒った自分は怒らせられたにすぎないという論理は、人として幼稚すぎるのです。相手には相手の事情があり、たまには他人に不愉快な思いをさせることもあるのです。腹が立っても我慢し合うものなのです。

やり返すにしても、やられた以上のことをしたら、それは悪事、加害行為なのです。

ウクライナがロシアに何をしたというのですか?国境を超えてミサイルを、砲弾を打ち込んだことがありますか?

明らかに、一方的な加害行為です。怒ってやることではありません。加害行為の理由づけをしているだけのことです。

こんなことにも例えられます。
ストーカー行為です。大好きでたまらない相手が次第に他の人に関心を示すようになったのです。どうしても付き合いたいので近寄るのですが、彼女は相手にしてくれません。

「今まであんなに親しくしていたのになぜ冷たくするのか、怪しからん」と怒りまくるのです。「お前がどのくらい大事か、なぜわからん。わからぬならわからせてやる」と殴る蹴るの暴行を加えるのです。

これ、正義ですか?いやいや自分の好み、都合を言っているだけなんですよね。相手には相手の好みや意志があるのですから、尊重するのがルールであり正義なのです。相手の気がこちらに向くように努力するしかないのです。

なぜEUやNATOに加盟したがるのか、それを研究して、自分がより魅力的になるしか手がないというのが正しい対処法です。

気に入らないから、思い通りにならないからと言って、軍隊の力で服従させるというのは、決して義憤から起こる正義ではありません。我が儘なだけです。他国の尊厳を認めない狂気です。

このような人が大国ロシアの組織のトップにあるということは、人類にとって大変不幸で危険なことです。なんとかこの状況が一刻も早く終わることを願うばかりです。


nice!(13)  コメント(12) 
共通テーマ:日記・雑感

プーチンの怒り [人間考]


今日はウラジミル プーチンの怒りについて書きます。前置きがあるので長くなってしまいます。申し訳ありません。

前置き(以下は昨秋書いた原稿で、仕上がらずメモ帳に寝ていたものです)

【 昨年の五月ごろでしたか「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」から怒りについて取り上げました。怒りというのは生きる上で欠かせない情動で、遺伝子に刷り込まれているのだそうです。

確かに人間界の出来事を理解する上で非常に重要な心理作用ですので、わたしも、自分なりに考えてみようと思います、

まず「情動」について。コトバンクには次のようにありました。

『 一時的で急激な感情をとくに情動という。人間でいえば、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、不安というような激しい感情の動きのことである。英語ではエモーションemotionで、その語源は、ラテン語で「揺り動かす」とか「かき回す」という意味である。感情を表すフィーリングfeelingの語源がラテン語の「触れて感じる」であるから二つの概念の差異がよく理解されると思う。情動とはその語源がよく表現しているように力動的(ダイナミック)なものなのである。』

怒りは力動的なものなので、大抵は行動が続きます。怒(いか)ると怒(おこ)るんですね。そこで、まず、「いかる」と「おこる」を区別したいと思います。「いかる」は体内の反応で「おこる」は体外に現れた反応です。

「おこる」には「いかり」に基くものの他に、他人を制御することを目論んだパフォーマンスとしての「おこる」があります。親や先生が子どもに、上司が部下になど、本人のためや、あるいは自分の都合のために、躾や従属を目的に行われるものです。

この行動は理性的で能動的なものなので、ここでは一旦脇に置きます。まずは、あくまでも受動的な怒りです。

人はどんな場合に怒りの情動に駆られるのだろうかと考えてみると、不当な取り扱いを受けたと感じた時と言えるのではないかと思います。

自分に非はないのに、なぜこのような仕打ちを受けなければならないのか、怪しからん、許せん、と心が高揚してきます。 】

まさにプーチンの心境です。ソ連邦が崩壊した後、西側諸国が旧ソ連邦の国々をどんどんNATOに引き入れ、ロシアの国勢を削ぎ、安泰を脅かしてきたではないか。隣国ウクライナまでNATOに加盟しようとしている。

なぜ我々はこのような仕打ちを受けねばならんのか、もう我慢がならん。ここで怒らねば男がすたる。国が舐められロシアが滅びる。あらん限りの力を発揮して、世界に物申さねば・・・の心境のようです。

あらん限りの力ですから、言うことを聞かなければ、空爆します。ロケット砲を打ち込みます。戦車で進軍します。他国に介入の動きがあれば核兵器を使うと脅します。

こうして暴れまくると、この後事態はどうなるのでしょうか。ウクライナはロシアの友好国になりますか?難しいでしょうね。この恨みはウクライナの人々の魂に刻まれますよね。

結局どうなるか。ウクライナ住民の多くを避難民として西側に追い出し、ロシアの盾となる国を作るのでしょう。西側は避難民を抱え、自国は領土(みたいな国)が増える。そのくらいのことをやってみたい、やらねばならぬ、やる資格があると思っているのでしょう。

怒りは命ある物の当然の反応ですから、当人にとっては正義なんですね。ですが、本当に正義なんでしょうか?

この続きはまた後で。

nice!(12)  コメント(8) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。