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さて日本のとるべき戦略は? [日本考]


さて日本の戦略です。
まずはどうあるべきであったか?でしょうか。戦前戦中は大陸に侵攻し中国軍やオランダ軍の反撃を受け、次第に物資が不足していきます。

戦争は武器弾薬、燃料、兵隊の食糧などがなければ進軍できません。こうした物資が枯渇する中、日本国は戦争の終結を戦略とする道を取りませんでした。前戦の隊員の志気により、苦戦を突破しようとしました。

さらにアメリカが経済制裁を加えてくると、真珠湾を奇襲し、アメリカとも開戦に踏み切ります。この時の日本国の戦略は何だったのでしょうか?奇襲により破壊された戦力が大きく、経済制裁を止めると思ったのでしょうか。読み違いですね。

この頃の日本の指導者の考えは如何なるものだったか?日本は皇国ですから、2000年来神の治める国ですから、いずれ神風が吹く、最後まで諦めず戦えばきっと何かが起きる!国民と共にそこに賭けたのでしょうかね?

とても理性の働いた思考とも思えません。こうして多くの前線での敗戦の後、東京大空襲、沖縄地上戦、広島・長崎の原爆炸裂等々の後、ようやく迎えた敗戦ですから、改めて現実に帰って戦略を、国策を考え直さなければなりません。

フリーハンドで出直せればよかったのですが、占領軍のプレゼンスがありますからそうはいきません。アメリカの国策で占領後の日本の統治体制が決められます。その結果、戦前の指導部の一部を指導層に残し、天皇は人間宣言、日本国憲法を制定し新たな国がスタートしました。

つまりこの段階では日本国独自の戦略が持てなかったわけです。いわゆる傀儡政権ですね。アメリカの国策のもと日本がリスタートするわけです。

こんな繰り言、いくら書いても面白くありません。済んだことですからね。でもあと少し、書かざるを得ないかな。

傀儡政権の内部にもいろんな考えの人がいます。リベラルな人たちは、憲法に則って、安全保障はアメリカに任せ、軍事には金をかけず、経済復興に尽力しようとします。

右派の人は、アメリカの庇護のもと、次第に戦力を充実させて、再び強国になろうとします。「戦争放棄」とか「戦力を持たない」とかいう憲法の規定は押し付けられたものとして、憲法改正を党是に盛り込みます。

しかしそれ以外のジャーナリストは、政治評論家は、政治学者は、一般国民は、戦後の日本のあるべき姿についてどんな意見を持っていたのでしょうかね?発言が小さ過ぎたのでないかと思います。

普通の日本人は、悲惨な戦争が終えてホッとしたというのが本音でしょう。そこで反省すべきは、どうして勝ち目の見通せない戦争に突き進んでしまったのかということです。

政治の意思決定が軍国主義者や天皇側近など権力の中枢に集まり、幅広い意見が採り入れられなくなり、民主的な議論がないまま全体主義に陥ったのではないか。

その点については、アメリカの徹底した民主主義教育により、また新憲法に保障された民主政治の枠組みにより、多くの日本人は新体制を信頼し受け入れたものと思われます。

日本人がもう一つ懲りたことは、戦争の悲惨さです。挙げるとキリがないので控え気味にしますが、若者が帰りの燃料を積まず、爆弾と往きの燃料だけ積んだ飛行機や潜水艦に搭乗し「お国のために」敵艦に自爆攻撃を仕掛けるのです。

戦地では、考えられないほど残忍なことをやったのです。原爆の悲惨さは言うに及びません。日本人の大半は「戦争に懲りた」のです。

「懲りる」ということは人類にとって大変重要なことです。「懲りる」ことによって人類は進歩します。戦後の日本の在り方は、ここで決まっています。「戦争はしない」「核兵器は使わない、どこの国も持たない」

そうした世界を目指す最初の国として、ブレずに国際社会で活動して行けばいいのです。「丸腰でそんな独自の立場を採ったら、あっという間に侵略されるわ」と思うかもしれませんが、「丸腰」である必要はないのです。

侵略されれば国民の安全と財産が脅かされます。国民を守る手段は日頃から準備しておいて当然です。要は「こちらから戦争をすることはない」ということです。

こういう姿勢を、各国に、また国連などの国際機関に絶えず示していれば、自ずと賛同する国も現れます。日本が第二次大戦で悲惨な目に遭ったことは有名なことですから、国際社会の理解も得られ易いはずです。

戦後の日本はこういう国であって欲しいものですな。今からでも遅くない。一国民として強く思います。


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