戦略なき政治のツケ [日本考]
国家戦略なき政治のツケ
こうして、日米安保条約に国の安全保障を任せ、取り敢えず経済大国としての地位獲得(先進国首脳会議 G7入り)を果たしました。
しかしこれが日本の国家戦略だったのでしょうか。むしろ、安易な道を辿った結果のツケが、大きく降りかかってくることになるのではないでしょうか?
というのは、国の命運を米国に任せ過ぎているからです。戦勝国アメリカが世界一の軍事大国であり、世界秩序の要となっていると信じて、これに付き従うことが日本の安全であり、世界秩序に貢献することであるとの思い込みが世界の実情に合っているのでしょうか?
日本の江戸幕府が諸藩を統制したような絶対権力を米国が持っているわけではなく、世界は複数の軍事大国、資源大国によって多極化しているのです。
それらの中でもアメリカを中心とする西側諸国は、人権尊重や民主主義国として指導的立場にあると思いがちですが、銃規制もできず、アメリカファーストと言い出したり、議会への押しかけを先導したりする人が、いつまた大統領になるかわからない、大変不安定な国なのです。
安全を託したはずのアメリカとの集団的自衛活動で、いつ大戦争に巻き込まれるかわからないのが実情です。
こうしたリスクを覚悟で、恐る恐る、細々と外交を展開するしかないのです。これが日本の国家戦略ですか?いやいや、これは戦略なき国が辿り着いたツケですよね。
原点に帰って出直さないと、大変なことになりますよね!
以上は日本外交にもたらされたツケです。
内政にもツケが回ってきています。日本は半世紀くらい前から少子化が心配され始めました。やがて高齢化も進み、少子高齢化社会から人口が減少する社会になりました。これは日本の内政にとっては大変重要な問題で早期に様々な対策がとられる必要がありました。
しかし日本政府はなかなか有効な手を打てず、ずるずると今日に至り、今は労働者不足が起きています。
なぜ大きな内政問題に機敏に対処できなかったのか?それは国の先を見る国家戦略がないからです。日米合同委員会で米軍から突きつけられる問題に滞りなく対応していれば、政権の座が維持できるからです。
国の将来より、政権を維持することが大事なのです。
国の存亡に関わる大きなツケをざっと二つ抱えています。
(こんな時間に更新しますが、夜中に無理して書いているわけではありませんのでご心配には及びません)