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戦略なき日本の政治 [日本考]

戦略なき戦後の政治

これもよく言われていることですが、日本の政治家は国家戦略を持っていませんね。各国の指導者は、大抵、その国の戦略を持っています。例えば中国などは、経済力、科学技術力、そして軍事力を伸ばしていって、アメリカが主導する国際社会に押しも押されもせぬ大国として、君臨しようとしています。

ロシアもプーチンの国家戦略のもとにあのような野蛮な侵略を仕掛け継続しています。欧米諸国も、中東の国々も、インドもオーストラリアも南米の国々も、大抵独自の国家戦略を持ち、国際社会で立ち回っています。

どうも日本にはそれがない。それは日本が島国で国際社会の波に揺さぶられることが少なく、国内の統治が唯一最大の政治家の課題だったからでしょう。

その辺の事情は、明治になって開国するに当たり一変します。試行錯誤しながら国際社会を渡り歩き始めます。やがて、更なる経済発展のため大陸に進出。欧米の植民地政策に伍して大東亜共栄圏を作ろうとしました。それが無謀で非現実的であったため、太平洋戦争で散々な目に遭いました。

米軍に占領され、米国主導の基、大日本帝国は解体、主権者を国民とする体裁の日本国が誕生しました。主権国家とはされたものの、米軍が首都やその他に駐留する国ですから、国の方針を独自に決めるわけにもいかず、その点は宗主国の意に従い、国内統治に勤しむわけです。島国政治家の得意とするところです。

国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という極めて民主的な憲法を掲げながら、その上位に日米条約が存在するという、歪んだ非独立国、USAのコバンザメ国家が誕生するわけです。

こんな国の国家戦略は、普通は国の主権回復です。なんとか直接の戦勝国USAや戦後の国際社会の信頼を勝ち取り、駐留軍に引き取りを願い、まずは国の自主性を取り戻すことです。

しかし日本はこうした戦略を持たなかった。国の主権回復より、誰がこの国を治めるかに関心が向いてしまうのです。宗主国には認められ、国民からの反乱を招かないようにすることに政治家の関心が向いてしまう。

国民は元々国家戦略などより日々の生活が大事ですから、経済復興に尽力します。

こうして、日米安保条約に国の安全保障を任せ、取り敢えず経済大国としての地位獲得(先進国首脳会議 G7入り)を果たしました。

しかしこれが日本の国家戦略だったのでしょうか。むしろ、安易な道を辿った結果のツケが、大きく降りかかってくることになります。(続く)


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