SSブログ

小学校の国語が即戦力養成講座に? [教育関連]

熱海の土石流災害は地球温暖化がもたらした天災と思い込んでいましたが、開発業者が運び込んだ盛り土が引き金になった人災の可能性が大きいようですね。気象が激変していることと、安易な業者の活動との合わせ技ですね。

開発にお墨付きを与える行政の基準や監督・指導のあり方も見直さないといけませんね。

いずれにしても、地形的にリスクの高い場所に居を構える住民は、豪雨や長雨の予報が出た段階で、避難所や親戚知人の家に避難する必要がありますね。

安全に住める場所が減りつつあることを思うと、物損は覚悟して、命を守ること、そこに居ないことを真剣に考えておく必要がありますね。

さて、今日はもう一つ言いたいことがあります。最近の、国語教育です。

国語の学習目標が、読解力の養成から表現力の養成に変わったことは何度か触れました。確かに、表現力は、社会生活を活発に行う上で必要な素養ですから、義務教育の過程で、それを習得させようとすることには意義があると思います。

しかし、今日のその傾向は行き過ぎと思わざるを得ません。6年生の課程でパネルディスカッションの実演があります。クラスで大きなテーマを一つ決めます。例えば「ネット依存症について」とか「地球環境について」など。

次にその大きなテーマについて、いくつかの問題点を挙げます。それぞれの問題に興味のある人が班を作り、話し合いをして問題意識を深めます。

パネラーを決め、ブロワーと役割分担します。パネラーは自分たちが調べ構築した意見を発表します。フロワーは、パネラーを援護したり、他班の発表の不十分なところを質問したりします。

5、6時間かけて準備し、実際にパネルディスカッションを行います。

こういう学習も“あり”でしょう。話し合いは社会の円滑な運営の基礎・基本ですから、シミュレーションも大事でしょう。

問題はこの後です。これに続く学習が、パンフレット作りです。パネルディスカッションの勉強で知り得た情報や意見を、友達や家族など、周囲の人に広く伝えるパンフレットを作るのです。これは各自です。

表紙と裏表紙、中身が6ページ構成のものや、4折した細長い構成のものなど教科書に見本が載っています。見栄えの良いパンフレットを作るのです。

ここまで来ると「小学校6年生にこんなことやらせるのかよ」と思わざるを得ません。感受性を豊かにしたり、物の見方、人類の歩んできた道、現代社会の諸問題などを知ってもらう段階です。見栄えの良いパンフレット作りに取り組んでもらう場合かどうか、疑問を持たざるを得ません。

小学校の国語教育が、ビジネスマン・公務員・広告会社のデザイナーなどの即戦力養成講座になっちゃった?世の中全体がビズリーチ化しちゃった?

そんなふうに感じている関係者も多いのでは?これは大いに心配です。

nice!(11)  コメント(10) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。