SSブログ

国民のための国か、国家のための国民か? [人間考]



ロシアのウクライナ侵攻、中国の香港政策や台湾統合への動き、北朝鮮の頻繁なミサイル発射など、国際情勢が不安定化しています。
安定化の役割を果たすべき国連は、ロシア・中国による拒否権の行使で、ほとんど機能していません。

こんな世界情勢をどう見ましょうか?

潜在的大国の中国が国力に見合った影響力を発揮できるように国際秩序の見直しを企図していることについては、必ずしも理解不能というものではないと思っています。

しかし、最近、見方が少し変わってきました。香港の民主派勢力への弾圧や、ウィグル自治区の強制統治など今に始まったことではありませんが、この国は人権をどう考えているのだろうか?そこを疑わざるを得なくなりました。

そういう実感を持つに至ったきっかけは、新型コロナ対策です。“ゼロコロナ”を掲げて、感染者が出ると都市封鎖をするなど厳しい感染防止策を講じています。今は上海のロックダウンの様子が伝えられています。

感染者が出ると、集合住宅の全戸が封鎖され、外出が一切できなくなります。PCR検査やワクチン接種も有無を言わさず強制的に履行してしまいます。

感染者が減り外出許可が出される場合にも、時間を決めて一斉にやるものですから、食料品売り場などは行列に次ぐ行列。必要な物が制限時間内に手に入るかどうか、はらはらどきどき、神経が擦り減るばかりです。

上海市当局は市民のこの不自由を、この生活苦をどう思っているのだろうかと想像してみるに、そんなことは多分、ほとんど眼中にないのでしょう。市長以下、頭にあるのは「なぜ上海市民から感染者が出たのか?一刻も早く感染を食い止め、感染者をゼロにしなければならない」

上からの命令に忠実なだけなのでしょう。「市民の健康と幸福のために新型コロナウィルスに打ち勝たなければならない」ではなくて「トップの命令だから職責を果たして手柄を上げなければならない」公務員の頭の中はみな同じ金太郎飴なのでしょう。

「こんな国では嫌だよな、誰がこんな国に住みたいものか」と報道を見ながら思いましたよ。「国民の生活を想うのではなく、国家のトップの意向に従う能しかない国なんて、誰も住みたくないだろうよ」

でもすぐに思い直しました。
「いやいや、こういう国がいい人もいるんだよな。公務員になれば威張れるからな。他人を相手に威張りたい人にとっては、こういう国は住み易い」

結局、佳い国かどうかは、国民が優位か国家という組織が優位か、そこにあると言えましょう。

民主主義か先制主義かとも言われますが、政治家の選ばれ方や国の制度の在り方のような形式的なことよりも、国の政治のプライオリティが、国民優先か国家優先かに懸かっているのでしょう、佳い国かどうかは。

国家主義はダメですよ、結論を言えば。互いの自由や価値を尊重する人ではなく、他人を支配したい人が大手を振って活動する社会は、どんどん歪んできますよ。それは火を見るより明らかですよ。

なかなか歪みが見えない?力づくで抑え込みますから見えにくいのですが、内部に歪みがどんどん溜まっていきますよね。

こういう国との違いを明らかにしていって、こういう国が減るように促していくようにしましょう。間違ってもこういう国を見習って追随しないようにしましょう!

本日は以上です。


nice!(16)  コメント(10) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。