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『日本はなぜ、「基地」と「原発」を…』を読んで その6 [『日本はなぜ、「基地」と「原発」を・・・』]

   PART2 福島の謎

〈沖縄取材後、東日本大震災が起こった。夏になるころには「沖縄=福島」という構造がはっきりと見えてきた。〉

《福島で起きた「あきらかにおかしなこと」》
〈もっともおかしかったのは、これほどの大事故を起こし、人々から家や田畑を奪っておきながら、その責任を問われた人物がひとりもいなかったことだ。〉

《被害者は仮設住宅で年越し、加害者にはボーナス》
〈2011年末、多くの被災者が仮設住宅で頭をかかえているとき、東京電力の社員たちに年末のボーナスが支給された。翌年一月井戸川町長は野田首相に「われわれを国民と思っていますか、法の下の平等が保障されていますか、憲法で守られていますか」と問いかけた。〉

《なぜ大訴訟団が結成されないのか》
〈ほとんどの人が国のつくった調停機関を通じて、東京電力側の言い値で賠償を受けるという道を選択した。いくら訴訟をしても、最高裁まで行ったら必ず負けるという現実を知っているからだ。〉

《福島集団疎開裁判》
〈子どもたちを安全な県外に移住させる行政措置をとれという集団疎開裁判の判決のなかで、仙台高等裁判所は「福島第一原発付近で生活居住する人びと、とりわけ児童の生命・身体・健康について、由々しい事態の進行が懸念されるところである」としながらも「現在ただちに不可逆的な悪影響を及ぼす恐れがあるとまでは証拠上認めがたい」として、住民側敗訴の判決を下した。〉

《原発関連の訴訟にも「統治行為論」が使われている》
〈日本の司法はまだ死んでいなかったと思わせる素晴らしい判決もあるが、これらが政府や関係者に影響を与えることはほとんどない。最高裁まで行くと必ずくつがえることがわかっているから。〉

《沖縄から見た福島》
〈沖縄には長い闘いの歴史があり、住民の人たちがウラ側の事情を知っている。また新聞社や政治家など、不条理と闘う社会勢力ができているが、福島の場合は経験も社会勢力もない。そこで、沖縄であきらかになった法的な構造を福島の人にも知ってもらいたい。〉

《日本はなぜ、原発を止められないのか》
〈原発を推進しようとする主犯については諸説あり、実態はよくわからない。本書では「原発の再稼働によって利益を得る勢力全員」としておく。より重要な問題は「止めるためのシステム」にある。〉

《オモテの社会とウラの社会》
〈一般市民の眼に見えにくいウラの社会があり、実はそれこそが、法的な権利に基づく「リアルな社会」なのである。PART1で触れた、日米安保法体系が憲法をふくむ日本の法体系より上位にあることは明文化されていることだが、さらに密約法体系があり、それは国際法上は条約と同じ効力を持っている。〉

 ここで言っていることは、現実世界の実態=闇の深さ・野蛮さを示している。目まいがするほど重要な指摘である。まっとうな考えをすれば、国内法、特に国民との約束である憲法に反する条約や密約は、違法であり無効でなければなるまい。それが国際法上のルールでなければならないと思う。それが、曲がっている方が優勢で、まっすぐな方が歪められるというのである。もう少し理に叶った世界を目指さなければなるまい、人類全体で。もちろん、その前に日本の政治をどうにかしなければ・・・・・・

 PART2はまだまだ続きますが、ここで一区切りといたします!(脳溢血予防のため、悪しからず・・・)
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majyo

福島の謎 ありがとうございます
どうぞ お体に触らぬように お願いいたします。
書いてくださいとお願いした私も心配です
by majyo (2015-05-03 16:54) 

momotaro

majyo さん
大丈夫ですよ、気が向かないことは人に頼まれても
たいていやりませんから (^_-)v
by momotaro (2015-05-03 19:23) 

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