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友よ、戦争をしない世界を創ろう! その10  [『友よ、戦争をしない・・・』広場]

   真っ直ぐ目的に向かって進もう!

 もういい年のおっさんが、何をたわけたタイトルを掲げているのかと、我ながら思わなくもないが、本心なのだから仕方がない。実は、最初は「真っ直ぐ夢に向かって」と題してみた。だが「夢」では、「なんだ、夢かよ。それなら、ひとりで見ていろよ」と軽くあしらわれかねないので止めて「目的」にした。
 この場合の目的は「戦争をしない世界を創ること」だ。その目的にしてもますます「何をたわけた…」の部類に属するに違いない。だれだってそうしたいに決まっている。戦争をしない世界に向かって真っすぐ進めていけたらそんな楽なことはない。だがなかなかそうならないのが人の世だ。それでみんなあくせく色々なことをやっているのではないか…、と叱られそうだ。

 私も長年そう思ってきたのだが、去年の終わりごろから心もちが少し変わってきた。このシリーズを始めたきっかけは、昨年、安倍首相が突如衆議院を解散して、その国政選挙の公示を翌日に控えた12月1日、筆者の許に、遠方の友人から「野党は全然頼りにならないので、安倍政権を強固にするため与党に投票することが賢明」というメールが届いたことだ、と冒頭に記した。こういう意見が多数派でもあるらしいので、彼を説得することには意義があるはずだと思ったのだ。

 しかし、こういう青臭いタイトルを真っ直ぐ掲げたくなる心境の変化は、実はそれ以前にあったのだ。二つほど感動したことがあった。
 一つは、昨秋沖縄県知事になった翁長さんの挨拶だか演説だかのなかに、沖縄の青い空も美しい海も、国家のものでもなければ、どこかの軍隊のものでもない。そこに住んでいる住民のものだという趣旨の発言があった。(正確な言葉を引用したくてネットをあちこち調べてみたが、残念、行き当たらなかった!)
《まったくそうだよ、自然の素晴らしさは、まずはそこに住んでいる人のものだよ。素晴らしい珊瑚の海を軍隊の基地にするなんて、住民のだれが承知したというのか?失われた福島のよさも、一番痛切に感じているのはそこに住んでいた人たちだ。気の毒なことをしたものだ、誰がどう償うというのか、できはしないではないか。翁長さんは、真っ直ぐに、いいことを言ったうなあ》と感銘したのだった。

 もう一つ感動したのは、ノーベル平和賞を受賞した、17歳の少女マララ・ユスフザイさんの演説だ。(こちらは演説の全文を確認することができた)そこで彼女は、教育の素晴らしさを説き、全世界の子供が、質の高い初等・中等教育を受けることができるようにするべきだと、世界中の大人たちに訴えている。彼女は言う、「非現実的だとか、費用がかかりすぎるとか、難しすぎるとか言う人たちもいるでしょう。それでも、今こそ世界がより大きな視野で考える時なのです」と。

 演説の最後は
「『最後』にする事を決めた、最初の世代になりましょう。空っぽの教室、失われた子供時代、無駄にされた可能性を目にすることを『最後』にすることを決めた、最初の世代になりましょう。男の子も女の子も、子ども時代を工場で過ごすのはもう終わりにしましょう。少女が児童婚を強いられるのはもう終りにしまょう。罪のない子どもたちが戦争で命を失うのはもう終わりにしましょう。学校に行けない子どもたちを見るのはもう終わりにしましょう。
 こうしたことは、もう最後にしましょう。この「終わり」を始めましょう。そして今すぐにここから、ともに「終わり」を始めましょう。サンキューソーマッチ、サンキュー」

 彼女は良かれと思う目標に向かって、真っ直ぐに提案している。私が心打たれたのは、何よりも「もう、終わりにしよう、これを最後にしよう」という表現かも知れない。現実的と称する人の歴史観は、今まであったことは、当然あり続ける、なくなることはないとするものだ。だが、それではいつになっても人間の愚かな行為は収まらない。差別も戦争も虐殺も搾取も…しかも、科学文明は進歩し、情報は飛び交い、武器は破壊力を増し続ける。旧態依然としていてはいけないのだ!と、17歳の少女に、世の大人すべてが訴えかけられたのだ。

 今までがそうだったからと、今後の世界も弱肉強食だと決め付けて、そこを生き残ることを考えることこそが現実的な賢い頭の使い方だと考えるのは、どうだろう、もう、今日を最後に止めようではないか。
 忍び寄る危険に備え、揺るぎない自らの繁栄を考える、賢いかも知れない「現実的な」考えを連ねていくと、どこにたどり着くか考えてみようではないか。戦争抑止の名の下に報復のための兵器は威力を増し続け、安全のためと称し守備範囲は拡大し続け、他国との同盟関係は強固になり続け…、しかし、どこの国も同じ行動を取り続けるから、少しも安心に到ることはなく、どこかの小さな争いが争いの連鎖を生み、憎しみと殺し合いが波紋のように拡がり、やがて世界中が生き残りと覇権を争う状況となり…そんな見通しのどこが現実的だというのだろう?70億の人類はわずか数億に、いや人口すらわからなくなり、文明は滅び、モンスターのような人と組織が支配する恐怖の惑星になり……、単なる愚かな人間の末路を露呈するだけではないか!
 そんな道行きに頭を使うのは、もう止めよう。歴史は、過去の過ちを、人間の愚行を繰り返すことのないように、研究し活用しよう。こんなだった、あんなだった、どこの国もこうだった、そんな負の遺産を真に受けて、だから今後もこうなるという、そんな頭の使い方は、もう、今日を限りに止めようではないか!

 沖縄県知事やマララさんの発言を見習おう。それが、せっかく賢い脳をいただいた人間の生き方だよ。そのことをお伝えしたかった。

(なかなか時間がなくて長期にわたってしまい失礼しました。拙く長いものをご高覧いただきありがとうございました。ご意見ご感想をお待ちしております。燦Q)

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gonntan

ユスフザイさんの言葉、哀しいくらい真剣で
それをまっすぐ受け止められない大人ってどうよ
って、言い続けるしかないんですね。
記憶にとどめて生きていきます
by gonntan (2015-02-20 21:00) 

majyo

今までずっとシリーズ拝読させていただきましたが
最終回の今日
感銘深い言葉に出会いました。

沖縄知事の翁長さんの言葉、
「空も海もそこに住んでいる住民のものだ」

そして、マララ・ユスフザイさんの
「今こそ世界が大きな視野に立ち、そして不幸な子供たちの生活を終わりにしよう」

この争いの絶えない世界に対しても
「愚行を繰り返すことのないように、研究し活用しよう」

同感だ!というより、ありがとうございましたとお礼申し上げたいです
思っていることは同じでも 書けない・・・・
お疲れ様でした。そして感謝です


by majyo (2015-02-20 21:14) 

momotaro

gonntan さま、majyo さま
ネットで素晴らしい人と出会えて、またすぐに読んでいただけて
こんな幸せなことはありません。
こちらこそ、毎晩良い刺激を受けております!
by momotaro (2015-02-20 22:14) 

SUN  FIRST

シリーズ最終回?拝読いたしました。
翁長沖縄県知事、マララさんの紹介を読んで、地球上に生息するものの承知すべき原点をあらためて知らされました。
日本の政治家、そして政治家を繰る一部の官僚は見、習うべきです。
私のいとこは大東亜戦争でペレリュウ島で玉砕した父の顔を写真でしか見ることができません。私の父は、軍の命令で特攻隊として人間魚雷で敵艦に当たるべく訓練中に運があって敗戦を迎え生きながらえて77歳の天寿を全うしました。家族に帰ることのできない永遠の戦地へ向かうことすら話すことを禁じられて・・・命じられたその日から出された白米とトンカツの食事がのどを通らなかったと知らされました。その事実ははかり知れない哀しみそのものです。悲惨な沖縄戦を経て東京大空襲まで多くの国民を犠牲にした当時の為政者をどう理解すればよろしいのでしょう?

沖縄知事の翁長さんの言葉、
「空も海もそこに住んでいる住民のものだ」

そして、マララ・ユスフザイさんの
「今こそ世界が大きな視野に立ち、そして不幸な子供たちの生活を終わりにしよう」

この争いの絶えない世界に対しても
「愚行を繰り返すことのないように、研究し活用しよう」

やはり、自分はこの側に立ちます。

by SUN FIRST (2015-02-21 08:04) 

momotaro

SUN FIRST さま
コメントありがとうございます。特にお身内の体験談は
大変貴重です。事の重大さが骨身に沁みます。
日本はあの戦争で数々の蛮行をやってしまいました。
また、未だに戦勝国に頭が上がりません。
大失敗の反省に立って、でたらめでない、真の国の立て直しを
信頼のおける政治家とともにやっていきたいものです。
by momotaro (2015-02-21 22:32) 

prin4795

何故に
こうも賛同が少ないのですか?

まず平和あっての
諸々なんですよね。
平和憲法を守りたい。
by prin4795 (2015-02-26 01:47) 

momotaro

prin4795 さま
まったく同感です。
コメントとnice ありがとうございました。
by momotaro (2015-02-26 18:33) 

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