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友よ、戦争をしない世界を創ろう! その3 [『友よ、戦争をしない・・・』広場]

    日米同盟に頼ることの弊害 

 理由の二つ目は、隣国に脅威を感じる余り、集団的自衛権を行使するなどして、軍事大国アメリカにさらに接近しようとする姿勢にある。これも、効果よりも弊害のほうが大きいと思えるのだ。君も「同盟国のアメリカさんも今の政権は全然頼りにならない」と指摘されているとおり、効果はあてにならず、弊害が懸念されて仕方がない。(君は「今の政権は」と断りを入れているが、共和党政権に代わっても大差はないように思う。)

 まず効果だが、アメリカが日中関係が悪化した折、どれだけ日本のために行動してくれるかについては、アメリカの立場を考えて推測するしかないと思う。
 アメリカは第二次大戦後、まずはソ連の太平洋や朝鮮半島への進出を警戒して、日本に軍事基地を造り維持してきたと思う。共産党支配の中国も当然警戒の対象であった。やがて友好同盟国の日本の工業製品がアメリカ経済を圧迫し始めた。日本の国防費が少ないことに不満を感じ、軍事予算の肩代わりを日本に求めるようになってきた。ソ連崩壊、東西冷戦終結後、ロシアの脅威が減る一方で、中国が経済的、軍事的に台頭してきた。経済の発展は、中国を、アメリカの貿易相手国として、また国債の引き受け手として、重要なパートナーにしつつある。軍事的な発展また海洋進出はアメリカにとって脅威であり、警戒しつつ慎重に監視している。
 こんな大雑把な分析(?)では君はいささか不満だろうが、アメリカが東アジアを見る眼は、およそそんなところではないだろうか。

 さてそんな状況下で、例えば尖閣列島をめぐって紛争が起き、日中が局地的に戦火を交えるようなことになったとき、欧米がどう動くかと想像してみると「まあまあ止しましょう」と言いつつ、本気で日本の味方をしたり、仲裁の労をとったりすることは、たぶん、どこの国もしないと思う。局地的な軍事衝突である限りは、しばらくは高みの見物を決め込むのではないだろうか。どちらかが余程紳士的あるいは民主的に振舞わない限り、GDP2位と3位の喧嘩は、東洋人の知恵と政治力を観るうえでも、「静観」が賢明と判断するだろう。
 もしそうではなく、各国がどちらかの側に着くようなことになると、大戦争へ発展しかねないので、そんなことは期待しないほうが良いと思うのだ。
 アメリカは日米安保があるし、日本の軍事基地を維持したい都合があるので、日本国民が腹を立てない程度には味方をするだろうが、本気で中国と渡り合うことが国益に叶うという結論は、おそらく出ないだろう。
 いくら集団的自衛権を行使して、日ごろから軍事行動を共にするようにしても、中国とどうかかわるかについて日本にお付き合いすることは期待できないと、わたしは思っている。だから、効果はあまり期待できない。

 一方、弊害・副作用のほうはたくさん見込まれ、ほとんど確実に起こると言ってもいいのではないだろうか。
 日本は、平和憲法を持ち、軍隊も自衛に限った戦力しか持たず、原子爆弾の唯一の被爆国として非核三原則を掲げてきた。軍事力ではなく、物や技術やサービス、文化で世界の発展に貢献してきた平和国家という印象が強い。宗教的にも寛容な民族で、根深く敵対する国は無いと言ってもよいのではないだろうか。

 一方アメリカは、世界に冠たる軍事大国で、全世界の軍事バランスに眼を光らせる西洋発資本主義文明の盟主であり、その実、理念よりも国益を重視する国であることも知られている。世界秩序の維持という点では重要な役割を果たしていると言えるかもしれない半面、9.11の報復として、アフガンやイラクに進行するなど、攻撃的で敵が多い国であることも否定できない。

 それほど色あい、イメージの違う国が、軍艦を並べて行動することにどういう意味があるのだろうか?アメリカは、世界の警察として、その活動量を増やしたり、自国の負担を減らしたりすることができるだろうが、日本の平和国家としてのイメージはどうなるのか、それが薄らいだら、それが疑われ始めたら、そのことが受けるダメージは測り知れないほど大きいのではないだろうか?それが心配だ。
 対韓国・北朝鮮、対中国を意識して始めたことで、世界のあちこちに敵を作ってしまうことになりかねない。矛盾していないだろうか?

 ことは評判だけの問題ではない、実際に活動が始まれば…(以下は「その4」で)

 明けましておめでとうございます。
 ハイリスク、ハイリターン(ノーリターンの可能性大)の運営ではない、穏やかで着実な社会運営を実現したいものですね。みんなで頑張りましょう。
 今年もよろしくご指導のほどをお願い致します。
 末筆ながら皆様のご多幸をお祈り致します。
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コメント 4

majyo

改めましておめでとうございます。
お正月に大作ですね。ちょっと難しかったので
先ほどコピーして読みました。
日米同盟があったとしても、アメリカは助けてくれるとは限らない。
その時の状況によると思います。シリーズまとまったら
感想を書かせていただきます。
石破氏は討論会で、集団的自衛権を間違えて戦争と言ったようです。
名前を変えても彼らの視野に入っているのはアメリカと共に
戦争する国になるという事だと思っています。
次回を楽しみにしております
by majyo (2015-01-01 21:29) 

momotaro

コメント早速ありがとうございます。
本年も何かとご意見をお聞かせください。
by momotaro (2015-01-01 23:02) 

さきしなのてるりん

根深く敵対する国は無いと言ってもよい,,,というのはその通りです。平和憲法のおかげでどれほど尊敬されてきたことか。特に中東での日本はアメリカのイラク戦争に日本が自衛隊を送るまでは完ぺきに尊敬を集めていたと中村哲さんが言っていたのが私には印象に残っています。だからこそ、自衛隊は憲法がぼろぼろになってはいても、そのイラクで殺すことも殺されることもなかった。憲法を世界に広げることが日本の積極的平和主義を発揮することと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。
by さきしなのてるりん (2015-01-02 19:58) 

momotaro

さきしなのてるりん様
貴重な、また素晴らしいご意見をありがとうございます。
他国から尊敬されていたとは大変素晴らしいことですよね。
「憲法を世界に広げることが日本の積極的平和主義を発揮すること」というご意見もそのとおりではないかと思います。
現政権の言う「積極的平和主義」は国民を騙す虚言ですよね!

こちらこそどうぞよろしくお願い致します。

by momotaro (2015-01-03 21:39) 

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