国会風景 暗黒モザイク

ご存知の方も多いと思いますが、山村暮鳥の作品に「風景 純銀もざいく」というのがあります。

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしゃべり
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな。
（青空文庫より）

これ、ある出版社の６年の国語の教科書で取り上げています。一面の菜の花と麦畑、ひばりのさえずり、空に浮かんだ白い月、春の光景が目に浮かび、大変わかりやすい詩です。

詩人というのは考えますね、みなひらがなで柔らかい春の感じを、何行も何行も「いちめんのなのはな」を繰り返すことで、菜の花畑の広がりを見事に表しています。

それ以外の叙景はぽつりぽつりとわずか三行。強く印象に残ります。実にうまいなぁと思います。

そこまでは大変わかりやすい詩なのですが、このタイトルが「純銀もざいく」なのです。これをどう説明、あるいは解釈しますかね？となると大変難解です。

ネットで検索して上位の方からいくつか見てみたのですが、納得のいく解説には出合えませんでした。そこで自分の思うところを記しておこうと思った次第です。野暮かも・・・と思いつつ。

作家が描こうとしたモチーフは明らかです。菜の花と麦畑と昼の月が産み出す春の光景です。これを美術家の用いるモザイクという手法で表すとどうなるか？

モザイクとはどんな手法かと言いますと、「小片を寄せあわせ埋め込んで、絵や模様を表す装飾美術の手法」とWikipedia にあります。

「いちめんのなのはな」という小片を24個、「かすかなるむぎぶえ」を１個、「ひばりのおしゃべり」を１個、「やめるはひるのつき」を１個、計27個の小片を散りばめて表現しようと決めたのです。モザイクの小片だからみな同じ大きさなのです。

さあ、小片の色は何色にしようかと思って心に浮かんだのが純銀色なのです。黄色と緑の菜の花畑、褐色の麦畑、明るい空に微かに白い昼の月。

モチーフが持っている色は明らかに決まっているのですが、作家はこれを敢えて銀色の小片で現したかったのです。作家にとって典型的な春の光景は強烈過ぎたのかもしれません。

「やめるはひるのつき」そこに共鳴しているのかもしれません。最後だけ句点を振っているのは、モザイクができたぞという完成感の現れでしょうか。

さらに正確なことは、作家の生涯を勉強しないとわかりません。

などと一編の詩から考えたのですが、実はこんな素人考えを発表したくて今日の記事を書いているわけではありません。

強烈な春のイメージを、詩人さんは、あの手この手で印象的に表現してくれます。

話変わって今日の国会ですが、持続化給付金の疑惑が鋭く追求されました。調べれば調べるほど、怪しい、疑惑に満ちた国費の使い方をしているのです。

この国政風景は暮鳥さんのアイディアを借りるとどうなるか？

国会風景 暗黒モザイク

ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
しんしにせつめい
ゴマカシトウベン

ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
せきにんにおいて
ゴマカシトウベン

ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
しょうちしてます
ゴマカシトウベン

ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
ゴマカシトウベン
こころをひとつに
ゴマカシトウベン


呆れますねぇ、嫌ですねぇ、早く終止符を打ちたいですね！

コメント 14

確かに
心ひとつに、ごまかし答弁ですね。
しかも、ボロの出る。
by 八犬伝 (2020-06-12 19:30) 

＞作家の生涯を勉強しないと
確かにバックグランドたる作家の生涯と時代を学ばないと、真意は窺えないのかもしれませんが、鋭い観察で推理されましたね。

ゴマカシ答弁も
１００回言えば相手が諦める効果あり・・
ダメ大臣だって
ダメだからと思われれば追求も緩む

繰り返しの効果でしょうかねぇ
by gonntan (2020-06-12 20:54) 

「風景 純銀もざいく」という題に気を止めたことがなく,ハットさせられました。
「国会風景 暗黒モザイク」お見事！光の届かない暗黒世界に、無機質の音声がハウリングしながら漂っている。耳をそばだててもまったく意味が伝わって来ない。無気味な世界ですね。
by kazg (2020-06-12 21:02) 

八犬伝さん
スガさんなどと「心ひとつに、ごまかし答弁」やってますね。
＞しかも、ボロの出る。
ボロボロなんですけどね、皆がボロになれちゃいましたから、蛙の面に水です。やり難い！
by momotaro (2020-06-12 22:05) 

gonntan さん
＞鋭い観察で推理されましたね。
タイトルと中身があまりにも違うので、ちょっとスイッチが入っちゃいました。
＞ゴマカシ答弁も１００回言えば・・・
当人も周りも、ゴマカシが当たり前になっちゃいましたね
＞繰り返しの効果でしょうかねぇ
こちらも繰り返し効果を使うことにしましょう！
by momotaro (2020-06-12 22:06) 

kazg さん
＞題に気を止めたことがなく・・・
中身とあまりにも違うので、気にしないで通過しちゃいますよね
＞「国会風景 暗黒モザイク」お見事！
ありがとうございます。
「光の届かない暗黒世界に、無機質の音声がハウリングしながら漂っている。耳をそばだててもまったく意味が伝わって来ない。無気味な世界ですね」
そっくり引用してしまいました！
by momotaro (2020-06-12 22:09) 

こういう詩があったのですね。素敵な詩ですね。作家の生涯も時代も知りたくなりました。
暗黒の世界、確かに不気味としか言いようがありませんね。なぜここまで劣化してしまったのでしょう。
by 風船かずら (2020-06-13 09:38) 

山村暮鳥先生の詩は奥が深いですが…
momotaro先生の詩もよく安倍総理をよく言い当てています
どこまでゴマカセバ、気が済むんでしょうね！
by ファルコ８４ (2020-06-13 17:48) 

風船かずらさん
＞素敵な詩・・・
ですよね！
一方今の日本の政治は暗黒の世界です。
＞なぜここまで劣化してしまったのでしょう。
政治批判が多くて、組閣したものの何もできずに終わった短命内閣が多かったですからね。そうした風潮への反省がありましたよね。
党や官僚の人事掌握などもあり、あとアメリカに寄り添ってさえいればという長寿法の会得もあり、悪徳内閣が存続してしまいましたね。劣化の一途でした、まだ続いています
by momotaro (2020-06-14 04:02) 

ファルコ８４さん
＞山村暮鳥先生の詩は奥が深い・・・
短い言葉でいかに表現するか、詩人の凝縮力はすごいですよね。
刺激を受け技法を真似てみました。
「いちめんのなのはな」同様「ゴマカシトウベン」の連続です、今の国会は。
by momotaro (2020-06-14 04:03) 

わたしにとって根本の問題なんです。
存在するってことです。
すべての人は望んで生まれて来たのでしょうか？
全肯定でよいのでしょうか？
わたしには正義感はありません。
存在する人にどうできるかと言うことです。
存在に意見が出来ますか？
momotaroさんの意見がお聞きしたい。
by SUN FIRST (2020-06-14 17:36) 

SUN FIRST さん
ん・ん・ん・難しいご質問ですね
どうお答えしたらよいやら、皆目見当がつきません m(_ _)m
by momotaro (2020-06-14 23:35) 

またまたおもわずコメント。私は実は5/19,6/15と、埼玉県南の市民グループ誘われて、うまれてはじめての国会抗議行動に、参加してきました。たくさん、いろんな人に会い、そして、いまを見聞してきました。体は疲れていますが、心持ちとしては、ロートルの皆さんに励まされて元気です。暮鳥は「おーい雲よ」で、やはり教科書かな、好きな詩人ですが、こういうのもあるということ、わかりました。そして、ももたろうさんの詩もいいですね
by にじ (2020-06-19 00:39) 

にじさん
＞またまたおもわずコメント。
いいですね、ありがとうございます。
＞5/19,6/15と、うまれてはじめての国会抗議行動に、参加してきました。
ありがとうございます。たくさんの人を代表して抗議してくださいました。お疲れ様でした。
＞暮鳥は「おーい雲よ」で・・・
今ちょっと勉強してきました。
詩人の発想は自由奔放で敵いませんね
＞ももたろうさんの詩もいいですね
ありがとうございます。
国会風景＝ゴマカシトウベン
作 桃山直太郎 で、是非広めてください！
by momotaro (2020-06-20 14:53)