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石原慎太郎が見えた① [人間考]

 石原慎太郎さんは、言うまでもなく故俳優石原裕次郎さんの兄。圧倒的な人気で衆議院議員や都知事を何期も務めた方だ。最近、橋下氏率いる維新の会と袂を分かった。乱暴な発言で有名だが、言質を取られて謝ったことはめったにないくらい口喧嘩の達者な人だ。尖閣列島を都が買い取ると公言し、慌てた野田内閣に買い取らせ、日中の緊張関係を促進させた人物だ(読者のご指摘により訂正しました。燦Q)。
 この人がどんな生い立ちでどんな思想・哲学をお持ちで、どんな政策を展開される方なのか、興味もなかったのでおよそのことしか知らなかった。しかしそんなことでは埒が明かないことに最近気がついた。
 民主主義は議論が大切で、胸襟を開いた話し合いの中でより正しい政策を選択し実行していくものであるから、話し合いの機会は一応用意され、そこで話し合いは一応は行われている。しかし議論が噛み合うことは稀で、たいていは初めから結論ありきの、アリバイ作りに終わっている。建前上の議論よりも、人の素性、根性、志向、もう一つ嗜好などの違いが先にあって、その部分は明かされず、語られず、議論されず…よって、意見において交わることはなく、平行線のまま終わることが普通なのだ。
 そこで有効な議論を交わそうと思うと、まずは《人の違い》を知らなければならない。遅まきながらそんなことに気がついたので、びっくりする意見や、言動の理解できない人に関心が向くようになった。
 そんな折、ブックオフで目に留まったのが『人間はなぜ戦争をするのか』(日下公人著)と『永遠なれ、日本』(中曽根康弘・石原慎太郎著)だった。もともと意見が合わないに決まっているから、正規の値段ではとても買う気にはならないが、108円なら十分食指が動く。大喜びで雑用の合い間に読み始めた。『人間はなぜ戦争をするのか』をまず読んだ。これは、大雑把に言えば、地球の現況を理解する上で大変参考になった。
 問題は後者である。これは「元総理と都知事の語り合い」というサブタイトルが付いていて対談形式で書かれている。真っ赤なカバーに白抜きで、本のタイトルと2人の名前が書かれている。PHPの本だ。2人の著者の思いがこの扇情的なブックカバーに現れているのだろう。2001年8月の本で、知る人ぞ知る、とっくの昔に話題になった本なのだろう。しかし、今読んでも、少しも古さを感じさせないものだった。むしろ、今の時事問題の解説書と思えるくらい、現政権の政治動向を理解するうえで参考になるものだった。
 特に、中曽根さんの発言にそれが多く見られるのだが、それは中曽根さんに先を見る眼があったということではなく、今の政権が当時の中曽根さんの思いを、教育基本法の改正、独自憲法制定、集団的自衛権の行使などを、多くの国民の危惧を余所に実現しようとしているということなのだろう。
 現政権は、中曽根さんや安倍の親父さん達の思いに動かされているのだ。ということがよくわかる。
 さて、慎太郎さんだが…(長くなりそうなので、今日はこれまでとし、続きは次の機会とします。)
         2014.6.13


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